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冷凍車・冷凍ウイングとは?
冷凍車とは、冷凍機能を装備した箱型トラックのことで、荷物を冷凍状態に維持します。運ぶ荷物が冷凍品、チルド
食品、冷蔵品とそれぞれ異なる場合、コンテナ内を仕切版でそれぞれ独立させることのできる冷凍車を使用します。
前室を冷凍食品、後室を冷蔵品といったように積載物の適温に沿ってコンテナ内の温度を調整することができます。
冷却だけではなく、加温もできる冷凍車も存在するため、お弁当や菓子パンを加温室に、冷凍食品などを冷却室に入
れるなど温度差のある積載物を同じトラックで運搬することも可能です。コンテナの表面には、ポリウレタンやポリ
エチレンなどの断熱材を挟んだアルミパネルや繊維強化プラスチックであるFRPパネルが使用されており、太陽の反射
に強い白色がよく使われます。
冷凍機の能力について、冷凍能力が-30℃の冷凍車では、コンテナ内が-30℃冷えるという意味ではなく、ボディの断
熱材や厚みなどにより到達する温度は異なります。よって、運送業界では温度管理が厳格化の傾向にあるので、輸送
中の温度変化のチャート紙を依頼主に提出する場合もあります。
冷凍ウイングとは、温度管理は必要ありませんが、輸送中の品質劣化を防止する事が出来るレベルの野菜類や果物
類、生花や精密機器などを輸送できるボディです。車検証上は、BOX型トラックと同様に冷蔵冷凍車となります。近
年は、温暖化の影響でアルミウイングのコンテナ内の温度が上昇するため、アルミウイングで輸送していた積載物を
配送する際には、冷凍車(空調車)指定となるケースがあり、断熱機能のないウイングに冷凍機だけを取り付けた車両も
あります。冷凍BOXと違い幅広い積み荷や用途で使用されています。
目次
- 機械式
- 蓄冷式
- 窒素式
- 冷凍ウイングで運搬する上での注意点
機械式
機械式とは、冷凍車の中で最も主要となる仕様であり、乗用車の室内クーラーと同様の仕組が採用されており、コン
テナ内に大型のエアコンが搭載されております。
まず空気を、高圧のガス状にするコンプレッサーから外気の作用で冷却・液化させるコンデンサーに流し、冷凍装置
の内部に冷媒液を気化させるエバポレーターを通過させ、周囲の熱を除熱しコンテナ内を冷却します。発電方法は、
補助エンジン式とエンジン直結型の2種類があります。
補助エンジン型
補助エンジン型とは、トラックのメインエンジンとは別に冷凍機を稼働させる
ための小型エンジンが搭載され、トラックのエンジンが停止していても冷凍機
を稼働させることができ、大型トラックやトレーラーなどに用いられていま
す。補助エンジンの利点は、メインエンジンとは独立しているため、冷凍機を
稼働させる動力を大きく維持することができ、例えば、冷却効率が良いこと
や、メインエンジンを停止してもコンテナ内の温度を低く継続維持することが
できます。しかし、エンジンが2つあり燃料を共有していることから燃費が悪
くなる点や、装置自体が大きいため、コンテナ内の積載スペースが確保しにく
い点があることや、また重量に関しても車重が重くなるため、最大積載量が制限
される点などのデメリットもあります。
補助エンジン型
エンジン直結型とは、走行の動力となるメインエンジンにコンプレッサーを
増設し、冷凍機の動力として使用します。主に小型の車両から4トントラッ
クを中心に用いられています。エンジンが1つなので燃費効率が良く、冷凍
機の装置一式が小さく軽いため、積載量が多く確保できます。その代わり、
メインエンジンを停止すると、冷凍機も同時に停止してしまいます。また、
メインエンジンの動力を冷凍機にも使用し、分散するため、渋滞などでエン
ジンの回転率が落ちた状態が続くと冷却能力が減少します。
蓄冷式
蓄冷式とは、配送がない時間帯を利用して荷台の冷凍板を凍結させ、その冷凍板によってコンテナ内を冷却します。
機械式と違って、車両のエンジンやコンプレッサーを使用しないので約8時間程度しか一定の温度を保つことが出来ま
せん。また、除湿作用がある機械式とは違い、コンテナ内の湿度を保つことができるため、乾燥に弱い精肉や鮮魚、
果実などの運搬に適しています。
また、冷凍に必要な動力は車両自体の動力と結びついていないため、室内エアコンが効かないなどが生じません。デ
メリットとして、冷凍板の冷却維持性能には限界があるので、短距離の運搬に制限されることがあります。
窒素式
窒素式とは、液体窒素を使用しコンテナ内温度を一定にさせ、またマイナス40℃以下と冷却能力が高いことが特徴で
す。デメリットは、液体窒素を補給する必要があるので、輸送の距離に制限があります。加えて、液体窒素自体が高
価なため、金銭面での負担がかかります。また注意点として、荷下ろしの際は、まずドアを開放した状態で15~20分
放置してから行う必要があります。これは冷気に窒素を多く含むため酸欠状態を回避するために行われます。
冷凍ウイングで運搬する上での注意点
冷凍ウイングを使って荷物を運搬する場合、日常点検やコンテナ内の配置計画が重要です。まず点検や準備を怠ると
コンテナ内の温度が下がりきらない、若しくは一定にならないなどのトラブルや荷物の品質を悪化させてしまうこと
があるため、以下の日常点検やメンテナンスは確実に行いましょう。
コンデンサーやエバポレーターの目詰まりの確認
コンテナ内の温度を下げる機能をもつ冷凍機のコンデンサーやエバポレーターに目詰まりがあると温度の高い空気と
の循環ができなくなり、コンテナ内の温度が下がらなくなる原因となります。運転前に冷気の噴射口に異物混入の有
無や霜や氷が張り付いていないかを日常点検し、必要に応じて清掃するようにしましょう。
ドレーンホースとドレーンパンの詰まりの確認
冷凍機のドレーンホースやドレーンパンに詰まりがあるとコンテナ内の荷台が水に漏れる原因になります。多くの場
合、ドレーンホースにダンボールなどのゴミが詰まることがあり、放置すると荷台が浸水し、商品の品質を保てなく
なり、生鮮食材だと腐ったり変色の原因になります。ドレーンホースとドレーンパンに詰まりがないか日常的点検を
行うようにしましょう。
運転前の予冷の実施
冷凍ウイングに荷物を積む前、荷物の鮮度を保つため適温まで事前に予冷することが必要です。コンテナ内の温度を
下げるためには時間がかかるため事前予冷をしっかりと行いコンテナ内の温度を下げるようにしましょう。また荷物
の積載配置の面でも、冷凍機の冷気吹出口より荷物が固くなるとコンテナ全体の温度を一定に保つことができなかっ
たり、冷気を脱がさないよう荷物の積み下ろしの時間を短縮するなどの工夫も同様に必要です。
冷凍車・冷蔵車について
冷凍車・冷蔵車は荷室内に冷凍機が搭載されてトラックです。外気よりも低い温度を一定に保てるので、荷物を冷凍した状態で運送できる特殊車両でもあります。冷凍車・冷蔵車は自ら任意の温度に調整できるので、温度管理が欠かせない食品配送の長距離配送に適しています。大半は食品輸送なので、殺菌作用があるステンレス素材を床に使用して衛生対策や、荷室の冷気が逃げることを防ぐためにドアにカーテンが搭載されているのも特徴的です。冷凍車・冷蔵車は「低温車※-30℃まで冷やせる」「中温車※-5℃まで冷やせる」の2種類があります。冷凍車・冷蔵車の有名なメーカーとしては、日野自動車やUDトラックス、いすゞ自動車など多くの国産トラックメーカーが製造と販売を行なっています。冷凍車・冷蔵車の金額は新車なら300万円~、中古トラックなら200万円~が相場です。
冷凍車・冷蔵車の使用用途
冷凍車は保管温度で中温車と低温車の2種類に分けられます。中温車は-5度前後の冷却できる冷凍車を指しているので、鮮魚や精肉などの運送で用いられています。低温車は-25度までの冷却できる冷凍車を指しているので、アイスクリームや冷凍食品、傷みやすい鮮魚(カツオやマグロなど)の運送で用いられています。冷蔵車はボディ(荷台)部分に冷却機能が搭載されていますが、保管温度の上限が冷凍車よりも高く5℃前後なのが特徴です。冷蔵車は野菜や果物、乳製品や薬品などの輸送に用いられているトラックです。冷凍車・冷蔵車は生活全般に欠かせない食品の輸送に幅広い業界で人気があるトラックなのです。
中古の冷凍車・冷蔵車を選ぶポイント
中古で冷凍車・冷蔵車を買いたいという方も多いでしょう。冷凍車・冷蔵車を購入する前は、さまざまな要素をチェックして購入しましょう。まずは大きさです。運ぶ物によって適切な大きさが異なるので、業界での標準を確認することがポイントです。年式や走行距離を見ると状態の良い冷凍車・冷蔵車を見つけやすくなります。しかし、メンテナンスがこまめにされていたら、年式や走行距離の数値が良くなくても構わないでしょう。数字以外にもいろいろな情報を比較して購入する冷凍車・冷蔵車を検討しましょう。